富山印刷会館[PALTE]
Printing(印刷)Advertising(広告、宣伝)Language(言葉)Letter(文字、字)Ecology(環境)Toyama(富山) の頭文字を取り、通称「パレット(PALET)」という呼び名で木と葉をイメージして印刷業界のシンボル・情報発信の場として建設されました。
準防火地域で木を用いて、中心市街地の街並みと調和するデザインという課題をクリアするために参考としたのは、木を用いたビルと現代建築が調和しているヨーロッパの街並みであった。設計者の柳原氏は、デンマークの第二の都市、オーブルの市庁舎が木と様々な素材とのコラボレートされていることにヒントを得て、イタリアミラノの新しい建物と古い建物が共存する町並みを視察しながら、「木はモダンになりにくいが、モダンと共存することができる」という確信を得た。
日本では、中心市街地における木の建築物の利用としては、まだ試作段階、実験段階にある。ビル建築で一般的に用いられる建築材料と自由に組み合わせて違和感のないように見せなければという問題意識をもっている建築分野のプロが少ない状況にある。そのため、ヨーロッパの街並みの中に見出すことができる木の老練な使い方をヒントにすることで、「一歩先か、一歩半先を先取りする」課題に取り組んだ。
【地域の環境に合わせた設計】 新印刷会館の設計上の最大の特色の一つとして、外壁で庇の機能を持たせているということがある。外壁が斜めに傾斜していることで、雨から木材の劣化を抑えることができる。また庇を設けると、庇から落下した雨が跳ね返り、1階の外壁を汚すことがあり、雨の多い富山県で採用するには、庇のように雨から外壁を守る機能が不可欠であった。そこで外壁を斜めに傾斜させることで汚れを抑えることができるようにした。(新住宅ジャーナル取材記事より)
特徴:外壁や床材に天然杉を使い、周囲の環境と調和したデザイン「創意工夫」◆PC版(プレキャストコンクリート)&W.ALC版の上下張分け◆水切れの良い設計デザイン(壁面傾斜)◆シンプルデザイン◆内外表し使い
- 竣工
- 2018年1月
- 延床面積
- 185.02㎡
- 構造
- 鉄骨造2階建て
1階外壁:成形セメント板なみロック78mm
2階外壁:WOOD.ALC120mm内外表し - 用途
- 会館・事務所
- 所在地
- 富山県富山市
- W.ALC使用量
- 8.64㎥
- 設計
- 株式会社地域建築設計
- 施工
- 前田建設株式会社|W.ALC施工藤田建設工業株式会社